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「終わらない青」感想

2011年12月3日
「終わらない青」という映画の上映会に行ってきました。
場所は渋谷 UPLINK FACTORY。

「終わらない青」感想_d0231037_152559.jpg


本当は上映会のすぐ後にでも、感想を書きたかったのですが
バイトやらなんやらで書けず…こんなに時間が経ってしまいました。

そして先日、TSUTAYAでDVDを借りてきて
再度、「終わらない青」を観たので、改めて、感想を書こうかと。



実は、どうしても観たかったので、
特典映像を、本編より先に観てしまいました(笑)

『ドキ!リスカだらけのガールズナイト』
これはすごくおもしろかったです。
すごく充実した内容だったように思います。
あたしもあの場に直接居合わせたかった…

観てて心に残った発言をいくつかメモしました。

・わかってもらえなくていい、ただ否定しないでほしい(自傷に対して)
・切る理由、飲む理由=自己表現
・苦しみを快感に変える

この3つは特に心に残ったし、響いたし、共感しました。

自傷。
ODとかリスカとか、いろいろあるけど、
どれも、経験のない人には、理解しがたいもの、理解できないものだと思います。
これは自傷だけに限らず、ありとあらゆるものがそうだと思うのだけど、
自分が体験したことのないことを、理解しろと言われても、
まずできない。無理です。

自傷なんかはその筆頭、というか。
自分の体を自分で傷つけるなんて、まず理解できないと思います。
もちろん、もし理解してもらえるのならば、幾分楽にはなるけれど、
理解を期待するだけ、無駄なのだと思います。
完全な理解なんて、無理なのだから。
だからといって、否定はしないでほしいんです。

だって、苦しみや悲しみ、辛さといった、
外には向けられない感情を、自分にぶつけているのだから。
ぶつけられる唯一の先が、たまたま自分の体だっただけ。
それを否定されたら、どうしたらいいのかわからなくなってしまいます。

自傷をする人だって、なんのためらいもなくそういうことをするわけじゃない。
苦しんで苦しんで、どうしようもないぐらい追い詰められて、
限界に達したとき、そういう行為に及ぶんです。

(そうじゃない人もいるかもしれないけど、それはここでは触れません。
ここではあくまで自分の経験や考えをもとに書いていきます)

だから、『わかってもらえなくていい、ただ否定しないでほしい』。
ただうなずきながら話を聞いてくれるだけでもいいんです。


さっき書いた、「外には向けられない感情を自分にぶつける」
これが、自傷行為をする者にとっての、自己表現。
不器用なんです。
外にぶつけることができないんです。へたくそなんです。
そりゃもちろん、外に向けて発散できるなら、それが一番良いです。
そんなこと、わかりきっています。
でも、できないんです。

リスカは傷として残ります。
あたしもあります、左手首に、右腕に。
傷跡を人にみられるのが嫌だという人もいるけれど、
あたしは別に気にしません。
傷をみて、かわいそうだと思うなら勝手に思えばいい。
気持ち悪いと思うなら勝手に思えばいい。

「切る」という自由に対する責任が「傷跡」。
責任は負わないといけないですよね。
自己責任。


さて、そろそろ映画本編の感想に移りましょうかね。
だいぶ長くなってきた…
だいぶ話それてるような気も…

本編。

最初に出てきた、主人公・楓の差していた鮮やかな赤色の傘が、すごく印象的でした。
鮮やかな赤色は、映画のいろんなところで使われていたような。
傘とか、スケジュール帳とか。あと血。

すごく、重くて、苦しくて、辛くて、悲しい、映画でした。

鬱気味の母、父からの暴力・性的虐待…
楽しいはずの、家族3人そろって食卓を囲むシーンは、
すごく空気が重たかったように感じました。
変な緊張感があるというか、常に空気が張りつめてるというか。

暴力のシーンと性的虐待のシーンは本当に怖かったです。
すごく強烈に、脳裏に焼き付いています。

負のループって怖い。
タイトルの「終わらない青」は、「終わらない悲しみ、負の連鎖」のことだったっけな、確か…
虐待を受け育った父が、今度は自分の娘に。
まさに負の連鎖。悲しくて怖い、ループ。

一番最後、トイレでのシーン。
観ていられなかった…思わず目を背けました。


この映画を観ている間、本当に苦しくて、
過呼吸にでもなるんじゃないかと思ったぐらいでした。

楓の化粧が濃くなったことを、「彼氏ができたんじゃないの?」と考える友人。
化粧をしているのは、虐待の跡を隠すためなのに。
年頃の女の子だから、「彼氏ができた」とか、そういう浮いた話を考えるのは、
至って普通のことなんだろうと思うけど、
なんだかすごくのんきだなぁとあたしの目には映りました。
楓と同じ高校生なのに…なんだか悲しくなりました。



あたしはこの映画が好きです。
一般的な、おもしろい映画とは違うと思うし、人に簡単にすすめられるわけでもないけど。
でも、良い映画だと思います。

観る勇気がある人は、ぜひ観てほしい。
そして、こういう実態があるということを知ってほしい。
目にみえないところで、苦しんでいる人がいることを。
自傷に対する偏見や差別も、少なくなればいいなと思います。


自傷行為経験者なので、経験者寄りの偏った文章になってしまったかも…
でも思ったことを素直に書いただけなので。

あと、実は感想文って書くの苦手…(笑)


だいぶ長くなってしまったけど、最後まで読んでくれた方、ありがとう。
by yuzuki127 | 2012-01-05 02:48 | 映画

詩と、私的哲学。全ては、自分の分身。


by まみか
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